自分を取り巻く世界に、執着などなかった



2,からませて からませて



守りたいものはただ一つ。
ジーニアス。
弟であり、家族であり、子供のようでもあり
唯一、自分の全てをわかってくれる存在



他の何かなど
…誰かなど
いらなかった


誰も味方になどなってくれないのに
大切な人を増やす必要は何処にある?
誰かに心を許すことは
自分の身を危険に晒すのと同じこと




…だったら、誰もいらない




人の一生、出会う人の数は夜空の星程
そのたくさんの人達の道と、自分の道が絶妙に
からまり合いながら、続いていく


でも私は、誰の道ともからまりあうつもりはない
ただひたすら真っ直ぐに
誰にも触れられない
私だけの道を歩みたいから




そんな私の道の隣に
いつからか一本の道が寄り添うように伸びていた
迷いなく先へと伸びながらも
時折儚げに揺れては光る紅い道
私の道と同様に、他の誰の道ともからまぬ
孤独な道




私、知っているのよ?
貴方が、そっと道を広げようとしていること
ロイドに、セレスに
…そして私に


私の性格を貴方は良く分かっているものね
決して無理強いはせずに
私の邪魔にならないように
影のように寄り添うだけ



でも、私は変わったの
だから私から手を伸ばすわ
貴方の道に私の道をからませて


ロイドもセレスもコレットもしいなもジーニアスも、みんな
みんなの道を
からませてからませて
平凡な日常も、お祝いも、嬉しい時も哀しい時も


もう二度と解けないくらい
複雑に、徹底的に
からませてからませて




ずっとずっと、みんなと生きましょう?
そして、貴方の一番隣の道には
必ずいるって約束するから







12日間連続SS企画第二日目。
リフィル→ゼロスでした

振り返って読むと、結構強引だ…(笑)

3へススム